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患者様向け医療情報


腎臓の働きと腎不全/患者様向け医療情報
腎臓はそら豆の形をした臓器で、1個の大きさはこぶしより小さいのですが、私たちが生きていくための大切な役割を担っています。 血液の中の老廃物を排泄し、食欲不振や体の不調を解消する 血液中の水分や塩分のバランスを一定に保つ 造血ホルモンを分泌し、赤血球を増やす 血圧を適切にコントロールする ビタミンDを活性化し、骨を丈夫にする いろいろなホルモンを分泌して代謝の調整をする 腎臓の働きが低下した状態を「腎不全」といいます。腎機能の低下にともない様々な症状があらわれてきます。 腎不全の進行状況は、血性クレアチニン値やGFR(糸球体ろ過率)などで診断されます。腎不全では患者様の体の状態や糖尿病の有無などで、症状が出る時期が異なります。これらの症状はゆっくりと進行する場合には腎臓の働きが10%を切っても出てこないこともありますし、原因によってはむくみ・呼吸困難が非常に早期から出てくる場合もあります。進行を見逃さないためにも、定期的な診察を受けることが大切です。


尿毒症について/患者様向け医療情報
腎不全がさらに進行すると「尿毒症」といわれる中毒症状を起こします。尿毒症になると皮膚や神経、循環器、消化器などにさまざまな症状が現れ、命にもかかわります。。 体がむくむ 血圧が上昇する はきけや頭痛が起こる 疲労感がある 食欲がない 無気力 など


末期腎不全とその治療法(腹膜透析・血液透析・腎移植)/患者様向け医療情報
末期腎不全の治療法には透析療法と腎移植があります。透析療法には腹膜透析と血液透析の2種類があります。腎不全で治療が必要となった時にはこれら3つの治療法(腹膜透析・血液透析・腎移植)から、患者様の病状やご本人の希望から、主治医と相談の上、治療法を選択していきます。それぞれの治療法について、もう少し見ていきましょう。 腹膜透析 腹膜透析(Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis:略称CAPD)は、お腹の中(腹腔)に入れた透析液に血液中の毒素や余分な水分を移行させ、それを1日通常4回入れ替えることによって治療をします。血液透析では血液を体外に取り出し血液を浄化しますが、腹膜透析ではお腹の腹膜を利用して24時間連続した透析を行うので、最も生体腎に近い治療法といえます。 腹膜透析には1日数回、患者さんご自身でより清潔に接続できる機械を用いて透析液バッグを交換するCAPDと、夜間就寝中に自動的に透析液を交換する機械(自動腹膜灌流装置)を用いて、透析をするAPDという方法があります。 →もっと詳しく知りたい方へ 血液透
■ Q&A 血液透析
血液透析は腕から血液を「とる針」と「もどす針」の2本の針をさします。「とる針」から血液を一分間に約200ccとり、同じ量を「もどす針」から腕にもどします。ふつうの血管だと細くて弱いため、この操作に耐えられません。そこで腕の動脈と静脈をくっつける手術をします。これを「シャント」といいます。これにより静脈にたくさんの血液が流れ、しばらくすると血管が太くしっかりしてきます。こうなってはじめて自分の血管で血液透析ができるようになります。血管の状態などによっては人工血管と呼ばれる「パイプ」を埋め込む場合があります。手術は局所麻酔(きょくしょますい)でおこないます。痛みは感じませんが、もしいたい場合は麻酔を追加しますので安心してください。血管外科医が手術をおこないます。手術は準備を入れて大体2~3時間です。血管が細かったり、人工血管を使う場合は長くかかる場合もあります。シャントは拡張の程度にもよりますが、手術後2週間以上たってから使用することが望ましいので、計画的に手術を行います。
■ Q&A 腹膜透析
CAPDの場合:
毎日、先生から指示された回数の透析液交換を行います。
出来るだけ今までの生活サイクルにあわせられるように相談しましょう。
例)1回目:起床後、2回目:昼、3回目:夕方、4回目:就寝前
APDの場合:
自動的に透析液を交換する機械を使用します。
夜間、就寝中に使用する場合は、夜寝る前に機械をセットし、起床後、機械を取り外します。
例)
必要な透析液の量や交換回数は、患者様の体の大きさ、年齢などによって異なります。
バッグ交換やAPDのスケジュールに関しては、主治医やスタッフによく相談しましょう。
くり~んフラッシュ:
お腹の管(接続チューブ)と透析液を清潔に接続する機械。
ゆめ:
夜間就寝中に自動的に透析液を交換する機械。
※腹膜透析で使用するこれらの機械は、医療機器として保健適応されていますので、患者様の自己負担はありません。
人工透析を受けている慢性腎不全患者様は血液透析であっても、腹膜透析であっても、同様の医療保障制度を受けることが出来ます。特定疾病療養受領証を受けることで、高額医療費の自己負担分を軽減出来、その他、更生医療や障害者医療費助成制度を利用することが可能な場合があります。
また、身体障害者手帳を受領することで、福祉サービスを受けることが出来ます。腹膜透析では、透析液を温めるために使用するCAPDバッグ加温器が日常生活用具として所帯の所得に応じて補助を受けることが出来ます。その他の福祉制度はお住まいの地域や患者様の状況によって異なりますので、詳しくは病院のソーシャルワーカーや市区町村の担当者にお問い合わせください。
透析液を腹腔内に出し入れできるように、「カテーテル」という管を埋め込みます。
カテーテルはやわらかいシリコンで出来ています。
通常、当院では麻酔は硬膜外麻酔や腰椎麻酔を使用し、痛みをコントロールしています。
カテーテルの先端は、直腸と膀胱の間にあるダグラス窩に位置します。
カテーテルがお腹から出ている部分を「出口部」と呼びます。お臍の下で右側か左側かのどちらかの位置になります。ベルトのラインは通常避けるようにします。
従来の腹膜透析の手術ではカテーテル挿入術を行って、すぐにCAPDを開始する方法がとられていましたが、近年、カテーテルの埋没とカテーテルの取り出しを2期に分けて段階的に行うSMAP(スマップ:Stepwise initiation of PD using Moncrief And Popovich)法が行われるようになりました。SMAP法では従来法と比較して以下のようなメリットがあります。
カテーテルがあらかじめ埋没されているので、必要な時期に透析が開始できる
埋没期間中に手術での創が治癒することで、感染症などが少なくなる
透析導入を計画的に行えるので、患者様の生活・仕事など考慮した入院ができる
当院では現在、SMAP法でのCAPD導入が多くなっています。
○ 1回目の手術(カテーテル埋没術):
カテーテルを埋め込んで、いつでも必要な時に透析が開始できるように準備します。お腹の表面には手術の創はありますが、カテーテルは出ていません。
当院では約1週間の入院です。
○ 2回目の手術(出口部作成術):
埋め込んであるカテーテルを取り出して、接続チューブを接続し、透析液の交換ができるようにします。お腹からカテーテルが出た状態になります。手術後からバッグ交換の練習を行います。
当院では約1週間の入院です。
腹膜透析を長期に続けることで、生体膜である腹膜が徐々に変化し、腹膜機能の低下が見られることがあります。その際には他の治療法への移行を考えます。継続期間については個人差もありますので、主治医へ相談してください。
透析ライフにおいて、腹膜透析を先に選択する(PDFファースト)メリット
CAPD最大の特徴は、透析開始後も血液透析に比べて長期間尿がでることです。そこで、透析療法はまず腹膜透析から始め(PDファースト)、できるだけ尿量を保ちます。その後、腎機能が減ってきたら(尿量の減少)、透析量を増やすための治療を考えます。具体的には腹膜透析と血液透析を組み合わせたり、あるいは完全に血液透析に移行をします。このように、長期的な視点で透析ライフを考え、始めにPDを選択する方法を「PDファースト」といいます。
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